「年中夢求」
 ~挑戦心と行動力が夢のある未来を創る~

 一般社団法人 越谷青年会議所

 第50代 理事長 大野 聡史

はじめに

越谷青年会議所は50年の年月をこのまちと共に歩み、その時代ごとの課題や困難に英知と勇気と情熱をもってスローガンを掲げ、メンバー、行政、関係諸団体、そして越谷市民へ向けて理念やビジョンを発信し続けてきました。私たちはこの10年間、「活気あるまちづくり」「次代を担うひとづくり」「越谷青年会議所づくり」の「3づくり運動」を展開してきました。3づくり運動を通じて地域の課題を解決することで会員一人ひとりの自己成長へと繋げてきた我々にこそ、この地域をより良くすることができると考えます。そして更なる地域の発展のためには、挑戦心と行動力を持ったより強い組織となり運動を展開することが必要です。
 
小学生の時「将来の夢」を書くことを求められ、進学や就職の面接では「あなたの夢は」と問われ、小学生の時は答えられたにも関わらず大人になるにつれて現実が見え消極的になります。本来、夢とはポジティブな言葉です。夢があるからこそ前向きになれるのです。夢は突然生まれる特別なものではなく、初めは小さな希望を追い求めることからスタートし、やがて目標となり大きな夢へと繋がります。しかし、夢への道のりは決して平坦なものではなく、1人では進んでいる過程で心が折れそうになる時もあるかもしれません。仲間と共に互いの個性を認め合いながら進み、切磋琢磨しながら支え合うことができるのが青年会議所です。だからこそ、失敗を恐れず何事にも諦めずに挑戦し続けます。

【越谷青年会議所づくり】

「夢を描ける会議をつくる」「夢のある運動を知ってもらう」

青年会議所は「会議」を大切にする組織です。全ては会議からはじまり、アイデアが生まれインパクトをおこします。そして共感、共有するには一人ひとりが役割をしっかりと理解し、行動することが必要です。50周年という歴史をつないできたことへの感謝、そして未来を良いものにしたいからこそ、夢を描ける会議を運営し青年会議所の価値を高めていきます。

越谷青年会議所が市民から見て魅力のある団体であるか。現在では選択肢が多くある中で越谷青年会議所としての独自性、魅力、発信力を高めるために広報活動にも力を注がなければなりません。WEB、SNS、各メディアを活用し活動内容を広く知ってもらい好感度を上げるために発信を行います。市民の方々に何を伝えたいのか明確な戦略をもち、必要とされる団体にするため、全ての委員会が一体となって我々の夢のある運動や想いを地域の方々へ伝える挑戦をしていきます。

「夢を形にできる組織をつくる」
新たな入会がなく会員数が減少していけば、人とのつながりや多様な価値観、自分以外の個性に出会い自己成長できる機会も減ることになります。設立から現在まで途切れることなく続いてきた歴史を積み重ね、新たな歴史を紡いでいくことも困難です。青年会議所の魅力を、自分の周りで支えてくれている家族や職場のスタッフ、そしてメンバーに言葉で伝えられるようになれば、自然と仲間が近づき新しい出会いが生まれます。会議や例会以外にも積極的な交流会を開催し、他の委員会メンバーやオブザーバーと夢を語り合える時間を増やし、会員拡大へと繋げていきます。
拡大をするには行動量です。「打席数×打率」いくら打率を追い求めても打席数が少なければ成果はあがりません。この50周年という機会を存分に活用し行動量を増やしていくことで、100名LOMへのビジョンを描き、夢を形にできる組織づくりに挑戦し行動していきます。

コロナ禍で減少したOB・OGとの交流の機会を増やすため、本年度は「シニア相互連携」チームを作り、OB・OGとの積極的な交流を図ります。また、OB・OGと連携し、姉妹締結をしてから10周年となる相馬青年会議所との交流を深めてまいります。

【人づくり】

「夢を持つ楽しさを知ってもらう」

昨今、若者たちのまちへの誇りや愛着は希薄になっています。多くの魅力があるにもかかわらず、その魅力を感じられない若者がいます。越谷には5本の一級河川と多くの用水路が流れ、古くから豊かな緑に恵まれ、水によって自然基盤が形成されてきました。しかしながら若者たちはその自然に触れる機会が少なく、河川や豊かな緑があることを知らない若者も少なくありません。まちの魅力を知ることは、まちへの誇りや愛着に繋がります。越谷の特徴を活かし、水の上でしかできない非日常体験を通じて、楽しみながらまちの魅力を知ってもらうことで、若者たちのまちへの誇りと愛着へと繋げます。河川を活用したスポーツやレジャーを体験することで、まちに夢をもてる若者の育成に取り組みます。

「日本の国技」と呼ばれている相撲は精神と技量を磨く「礼儀」と「真剣勝負」が特色です。子どもたちには礼儀作法を学ぶと共に、勝つことの喜び、負けることの悔しさを体験してもらいます。越谷の子どもたちが全国大会で優勝を狙える環境づくりをメンバー全員と多くのサポーターと共に協力し、日本一まで全力で挑戦、行動し続けます。子どもたちが事業を通じて体験を自信に変えられるよう、夢を叶えるための挑戦、努力へのきっかけとなる夢のある運動を展開していきます。

まちづくり】

「夢が叶う楽しさを知ってもらう」

越谷には300年続く歴史ある「越ヶ谷秋まつり」や日本三大阿波踊りのひとつ「南越谷阿波踊り」そして我々が実行委員会として企画・運営している「越谷市民まつり」等、歴史や伝統があるまつりが多くあります。しかしながら歴史や伝統がある一方、当事者として参加できる機会が少ない状況にあります。まちづくりの楽しさとは、自ら参画し作り上げることで得られるものであり、まつりは多くの人々が楽しめると共に年齢に関わらず参画できます。まつりという歴史と伝統を次世代へ繋ぐと共に、世代を超えてまつりを作り上げる経験を通じてこのまちへの愛着を育み自らが誇れるまちへと繋げていきます。

子どもたちに夢を持つ楽しさを知ってもらうためには、子どもたちの「やってみたい」を叶える場が必要です。子どもたちの自由な発想を活かしたまつりを創りあげ、夢は誰かが叶えてくれるものではなく、自ら叶えられるものであるということを経験することで、夢を叶える第一歩を踏み出す機会にしてもらいます。

「第48回越谷市民まつり」には市民の参加と協働を促す仕組みが必要です。越谷市民が一つになれる場所、夢あるまつりの企画を創出し、NPO、ボランティア、学生等、人とのつながりからまちを活性化させ、仕事や家庭へ還元させることでまちの発展へと繋げていきます。

創立50周年に向けて

「夢への架け橋となる」

越谷青年会議所は創立50周年という大きな節目を迎えます。この半世紀の歴史と伝統は、諸先輩方の熱い想いや行政、関係諸団体の皆さま、市民の皆さまからのご支援、ご協力により創り上げられてきました。この50年間に刻まれた想いや歴史を振り返り、魅力ある運動を継承していきます。そしてこの節目の年に、諸先輩方とのつながりを今以上に強固にし、今後50年、100年とこのまちが更なる発展と成長ができるよう、青年会議所だからこそできるグローバルな運動を展開していきます。

東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに、新たなスポーツ競技や選手の活躍がニュースで取り上げられることが多くなり、選手の出身地域ではそのことでまちに活力を与えています。新たなスポーツ競技や今後新たに五輪種目に加わる可能性がある競技においては、他のまちに先駆けて越谷から世界で活躍できるような選手を輩出できるよう、まちを挙げてサポート体制の構築に取り組み、まちの活性化に繋げます。世界へと繋がるスポーツの力でグローバル化への新たな一歩を踏み出し、まちの発展や市民の夢への架け橋となることができるのが青年会議所です。そしてこれから求められる技術や価値の創造にどのように貢献できるか、この50周年から未来に向かって果敢に挑戦し行動していきます。

結びに

「このまちに越谷青年会議所は必要ですか」この問いに必要だと答える人を増やすこと、それが私の人生の幅を広げてくれたこの青年会議所への最大の恩返しです。これまでの青年会議所運動をしてきた中で多くの困難がありました。「ピンチの後はチャンスあり」追い詰められた苦しい状況こそプラスの感情をだし、新たなことをスタートするのに絶好の機会と捉え、自分の力で乗り越えていく思考と行動力を身につけました。自分の力で乗り越えられない時には、いつも支え、助けてくれる仲間がいることにとても感謝をしています。その時の関わりが一年を通じて積み重なり、財産となっています。共に励ましあい、認め合い、そして夢を語り合い、自分自身の物語を創り、全員が主役になれるのが青年会議所です。未来あるこのまちの発展にはメンバー個々の成長が必要不可欠です。個人の夢を実現するためには努力が必要です。たとえ時間がかかったとしても、仲間との時間は裏切らず必ず自分の力となります。迷ったときは挑戦になる道を選び挑戦し続けることで、夢の力や夢の広がりを次世代に伝えられるよう、全ての運動を楽しみ活動してまいります。