とどまるな大人よ遊べ

~未来をもっと楽しいものへ~

一般社団法人 越谷青年会議所

 第52代 理事長 吉田将光

はじめに

越谷青年会議所は「明るい豊かな民主主義社会」を築くことを目標とし、自己の開発、社会への奉仕、世界の人々との友情を 3 つの柱として青年としての英知と勇気と情熱をもって行動し人間性の信頼に基づいた、理性と法による社会秩序を確立することを誓う創立宣言文のもとに歩みはじめ、52 年目を迎えました。そして 50 周年の折りには 10 年活動vision として「発新~笑顔溢れる地域へ~」とスローガンを掲げ、昨年新たな一歩を踏み出しております。私たちは強いリーダーシップを発揮し、当たり前が日々更新されるこの時代の変化にも真正面から向き合い、恐れることなく歩み続けることで、笑顔あふれる地域を創造してまいります。
私たち青年会議所が行う事業はまちに還元するものですが、必ずしも上手く受け入れられるわけではありません。人は面白いものに意識を取られ、事業の本質や課題が難しければ、どんなに価値のある運動でも興味を持たれず、理解されない場合もあります。お行儀のよいことだけではなく、もっと遊び心をもって、冗談みたいなことも本気でやるからこそ私たち大人が真面目にやる意義があるのです。
地域の未来が鮮明に描かれ、その景色がわくわくするものであれば必ず賛同者は増えていきます。私たちが真面目に、本気で、面白さに情熱を注げば運動は加速し、明るい豊かな社会が実現できるのだと信じています。

全ての会員が青年会議所をつくる

私たちは青年会議所の運営において一人ひとりが議決権を持った当事者です。総会では質疑応答の機会が与えられ、賛成するも反対するも自由です。もちろん可決された議案について、一丸となり課題解決を目指す事が青年会議所の特色ではあります。しかし青年会議所で過ごす時間を有意義な時間にできるかは、会員一人が自分の責において考えなければなりません。ひとりの青年経済人である我々には会社、同僚、家族、友人等抱えるものがあります。青年会議所で過ごす時間を実のあるものとし、その成果をもって周りに還元し、自身の周りを笑顔にすることから、地域の笑顔づくりが始まるのです。

名の通り会議を主体として行動する私たちはより効果的でそれぞれの事情を汲み取った会議体を構築する必要があります。多様な事情に配慮し、子どもが同席できるなど柔軟な会議を行うことで会員のゆとりを生み、周りを気遣う余裕からより質の高い会議が実現できるのだと考えております。

また会議体で可決された事業や発信すべき情報については、迅速かつ効果的な展開が求められます。青年会議所では HP の他に Facebook や Instagram など通じて周知活動をしていますが、残念なことに数多くの投稿がある中で、活動に対する広報は埋もれてしまっています。私たちの活動をより多くの人に伝えるためには日頃より広報を行い、そして興味を持ちやすい情報発信を心掛ける必要があります。興味から関心、好意へ変化をもたらすひとかけらの遊び心を持った広報をしていくことが、私たちの越谷市で行っていく事業をより効果的になるよう後押ししていく重要な要素になると考えます。
会議体の構築と青年会議所自体を周知するという重要な要素を整えなければ、どれだけ良い事業を企画したとしても実現はできません。私たちは確実に足元を固めることで、楽しい未来への一歩を強く踏み出すことができるのです。

興味の持てる青年会議所へ

青年会議所は組織として直接まちづくりを行うのではなく、それぞれがまちづくりのリーダーになるべく成長の機会を提供している団体です。多くの人が同志となることで地域を想う人が増え、主体的な運動へと変わっていきます。そのためにも私たちは広く仲間を集め、興味を持って活動してもらう必要があります。参加する動機は会員によりそれぞれですが、大変なだけでなく楽しいと思えるからこそ継続して頑張ることができ、成長していくのだと思います。

私たちが起こす運動は多くのメンバーがアイデアを持ち寄ることで工夫の幅が広がります。また、共に楽しんでくれる同志が多ければ多いほど、多様な選択肢が増え、事業を大きくすることが可能です。そのためには越谷のみならず近隣の友好 LOM との連携を模索し、更には今までアプローチが少なった業種や地元企業、全てのまちに関わる人達に対して興味を持ってもらうことで達せられます。

また、当然の事として自分が関心を持てないものは人を誘いづらく、面白いと思う運動であれば人を誘いやすくなります。当事者として参加し成功体験を得ることで、また体験したいという次への意欲となり運動を加速することができます。そのためにも新入会員に対しては越谷青年会議所への活発な参加につながる切っ掛けが必要です。主体的な事業構築の場として、現役会員及び OB 会員を含めたじゃがいもコンペの設営と当年度の卒業生を見送る事業を担ってもらいます。これらは仲間同士の絆を深める事業であるため、笑顔で幕を引くことが最も大事なこととなります。

青年会議所は修練、奉仕、友情の三信条の元、苦楽を共にする仲間を得ることができます。事業を通して仲間たちと悩み、討論し構築した経験は JC だけでなく今後の人生に役立つスキルと多くの友をもたらすことでしょう。

遊び心がまちへの関心となる

まちにちょっとした発見や遊び心があれば、気分が明るくなります。暮らしの中でふと目を向けた先に笑いや驚きがあれば、日常生活にも花が咲き、まちへ関心が生まれます。私達が行うまちづくりには、まちに興味を持った能動的な市民の存在が不可欠です。

私の住む所はこんなまちなんだと、人に自慢したくなる所はどんなまちでしょうか。人々は住み暮らすまちへの愛着を持つことで、地域の文化を尊重し、地域社会に貢献する意欲が高まります。そして、遊び心は意欲を刺激する要素です。遊び心が新たなアイデアやイベントを生み出すことで、まちは活気づきます。市民に自身のプレイフルな感性を表すことの出来る機会を提供し、市民が遊び心を持ったまちづくりへ寄与していきたくなるような事業を行います。

まちへの意欲を刺激する催しとして、今年で 50 回の節目を迎える市民まつりは多くの参画団体の協力を得て今日まで続いております。昨年は越谷市役所新庁舎も活用され、市民に身近な市民まつりになるよう柔軟な形をとっています。私たちは半世紀を迎えた市民まつりをこの大きな節目に、より地域へ密着したまつりへ発展させていきます。地域の関係者が当事者として関わることで市民にとっては身近な自己表現の場となり、地元企業にとっても地域に根差した活動を展開する機会を得ることができます。日常を過ごすまちが自分達にとって興味深くなり、多くの市民が参加者意識を育むことができる市民まつりの開催へと邁進してまいります。

多くの人は自分達がなぜまちづくりに関わらなければならないのか、どうしたら関わることができるのか、自身でより良い未来へ向かうための切っ掛けこそが、私たちの発信する運動であるべきです。

地域に根差したスポーツ交流

まちづくりの主体となる市民が地域に心を残すためには、その土地に根差した思い出が鍵となります。五感に働きかけることで強く記憶に残り、その経験を良い思い出とするためには、楽しく好奇心がくすぐられる体験を提供することが必要です。

青年会議所として継続しているわんぱく相撲越谷場所は 37 回を迎え、わんぱく相撲埼玉ブロック地区大会が越谷主管のもと 34 回を迎えます。この継続事業は毎年約 200 名の子ども達が参加する事業であり、毎年様々なドラマが繰り広げられます。埼玉県内では 8 つの地域でしか行われておらず、越谷の特色ある思い出と言えるでしょう。また相撲は体一つで行う競技であり年齢や場所も選ばないため、大人と子どもが遊びとしても簡単に交流できる競技です。多くの参加者とコミュニケーションを図ることができるため、運動を展開する私たちにとっても成長の機会となります。さらには事業を通し次代を担う子ども達に礼儀と健全な心を育むことができ、地域の未来へと繋がります。

また地域に対し心を残す要素として、住み暮らす地域でどれだけの交流をしてこれたかが重要ではないかと考えます。大人も子どもも一緒にスポーツを行うことで、コミュニティが緊密になり多様な価値観を受け入れた社会となります。多様な価値観に触れることは考えの幅を広げ、余裕と遊びを生み出し人生に彩を添えるのではないでしょうか。そのためにも多くの市民が参加できるスポーツ交流の場が必要と考えます。一つの種目に限らず、多様なスポーツが集まることでそれぞれが新たな競技人口を獲得し、より活発で明るい地域交流が生まれます。

次代を担う子ども達がポジティブな体験をすることは地域の未来を考える上で効果的なことであり、子ども達を笑顔にすることは地域の大人が行うべき地域貢献だと考えます。

結びに

本年度は埼玉ブロック協議会での事務局対応やわんぱく相撲埼玉ブロック地区大会の主管、第 50 回を迎える越谷市民まつりなど、多くの機会に恵まれております。また、私たち越谷青年会議所が姉妹締結を行っている一般社団法人相馬青年会議所との交流は 14 年目を迎えました。2011 年に発生した大震災、当時のメンバーは今できることは何かを考え救援物資提供の呼びかけや募金活動を行いました。その後、相馬市新町緑地公園にもみの木を植樹したことを皮切りに 2013 年に姉妹締結を行い、互いの事業に参加し交流を深め、絆を強固なものにしてまいりました。私たち青年会議所は設立当初より、有事に立ち向かうための団体であり、その理念を振り返る必要性を感じています。互いの経験や知識、活動を共有することで私たちはより成長し、助け合う仲間ができることでどんな危機にも立ち向かうことができます。青年会議所で得た友情はどれだけ年数を経ても個人の財産として残り、様々な選択肢を与えてくれるでしょう。その絆のためにも交流の機会を作り、繋がり続けることが必要です。

皆さんは越谷青年会議所以外の事業を見たことはあるでしょうか。それぞれがどの様な会議体を持っているか知っていますか。予算をどのように工面しているか考えたことはありますか。多くの機会を得ることができる本年度は私たち越谷青年会議所にとってまたとない好機だと私は考えます。この機会を逃さず多くの学びを得ることで、私たちは今よりもさらに多くの選択肢を選ぶことができます。

時間は有限で、日々様々な用事に追われています。そんな限りある時間だからこそ、真剣に取り組まなければなりません。そうでなければ無意味に時間を消費するだけです。他人に誇れるほど何かに熱中するべきなのは、青年会議所活動を行っている今この時こそ。一生懸命に頑張ってるやつ程かっこいい。私達は地域に誇れる大人になる。

大人だから本気のバカができるのだ。とどまるな大人よ遊べ。